屈辱の舞台

 別荘への出発の日、ミチルは一哉と共に姿を現した。裕司はレンタカーを借りてからやってくる手筈になっていた。

 「ねえ、先生を連れてきてよ。準備させなくちゃ」

 一哉に告げたミチルは寝呆けまなこの洋輔に口付けにした。

 「どういう細工をするんだい」

 洋輔は甘い誘惑を振り払い、楽ししそうなミチルに尋ねた。

 「まあ、もうすぐ判るわ。着る物も用意して上げたんだからね」

 ミチルは持ってきた紙袋を指差した。

 「おはよう。先生」

 例によって由香里と手錠で繋がれたままの全裸の和美が姿を現すとミチルは微笑んだ。

 和美はミチルに声を掛けられても頬も揺らさず、何の感情も現さなかった。仕打ちを受け続けている和美は感情を押し殺すことによって地獄の日々を耐え切ろうとしている。

 「後手に縛って頂戴。暴れだされたら事だから」

 ミチルの言葉によって手錠を解かれた和美は言われるまでも無く両腕を背中に廻した。

 「随分、聞き訳が良くなったわね。先生」

 ミチルは縄掛けされている和美の乳房を突付いてキャッキャッと笑い声を上げた。

 「よし、出来たぜ」

 和美をかっちりと後手に縛り上げた一哉は和美の背を押した。

 「黒々となって来たわね。また、剃り上げて上げるね」

 ミチルが悪戯っぽい笑みを浮かべて恥毛の上を撫で回しても和美は表情一つ変えず、塑像のように立ち竦んでいる。

 ミチルは紙袋の中から細く長い革紐を取り出すと和美の腰に固く結びつけ余った紐を股間に垂らした。

 「先生。足を開いて頂戴」

 ミチルに太股を叩かれた和美はピッタリと閉じ合わせていた両脚を静かに開いた。

 「一哉、おっぱいを揉んで上げて、少し気分が乗らないとやり辛いから」

 縄に締め上げられた双の乳房を一哉が急調子に愛撫し始めるとミチルは遠慮がちに開かれた和美の襞を弄り始める。女生徒にその部分を弄られる辛さからか和美はぎゅっと唇を噛み締め、眉を寄せている。

 「暴れちゃ駄目だよ。先生」

 身悶える裸体を一哉にがっしりと抱きすくめられた和美は太股をガクガク震わせて小さく口を開いた。

 「ミチルさん。お願い、あなたにそんな事をされるのが辛いの。許して頂戴」

 和美にまたぞろ拒否されたことにミチルはムッと来たのか立ち上がると今にも泣き出しそうな和美の顔を覗き込んだ。

 「私が親切にしてやってんのにそんな口を利くことはないだろう?懲らしめてやるよ」

 「そ、そんな。あなただって女でしょう。女がそんな事をされるのがどんなに辛い事かわかるでしょう」

 いきなり和美の頬にミチルの平手打ちが飛んだ。和美に説教じみた言葉を吐かれた事に余程、腹が立ったようだ。

 「洋輔。先生の両足をしっかりと抑え込んでおくれ」

 洋輔が和美の背後にしゃがみ込み、太股に手を絡ませ、身動きできぬようにするとミチルはタオルを手に和美に迫った。

 「大袈裟な悲鳴でも吐かれたら事だから猿轡をしてやるよ。大きく口を開きな」

 底意地悪い目つきで自分を睨みつけるミチルに言い知れぬ恐怖を覚えた和美だったがおずおずと口を開いた。

 タオルで口を封じられた和美は引きつったような表情を浮かべてミチルを見た。自分を憎むミチルの折檻に和美の心は震えている。

 「私に説教した罰だよ。それに少し脂を絞った方がこっちにとっても好都合だしね」

 ミチルはにんまり笑うと洗濯バサミを手に身を沈めた。

 和美の裸体がブルブルと震え始めた。ミチルの指先が彼女の秘裂を割り始めたのだ。

 「あった、あった。これが先生のクリトリスだね。懲らしめてやらなきゃ」

 ミチルは無残にも抉り出したそれに洗濯バサミを取り付けた。

 突然、和美はガタガタと全身を揺らし、封じられた口の中で舌足らずな悲鳴を上げた。肉体の微妙な神経が集まってる箇所に取り付けられた洗濯バサミ。和美は脳天まで響く痛烈な痛みを感じ、狂ったように頭を打ち振ってる。

 「まあ、はしたないわよ。先生。そんなとこをくっきりみせてプルプル震わせるなんて」

 ミチルは微妙に揺れる洗濯バサミを指差して笑い転げている。一哉も洋輔もこんな女体拷問方があったのかと感心した目つきでその箇所を覗き込んでは苦笑いを浮かべていた。

 ミチルは頃は良しと和美の口を封じていたタオルを取り去った。

 「ああ、お願い。お願い。許して。許してよ」

 太股をガクガク震わせ、和美は泣き濡れた瞳を開いてミチルに許しを請うのであった。

 「私に生意気な口を利いた罰だよ。もう少し、苦しみな」

 震える乳首を抓んだり、押したりしてミチルは残酷そうな笑みを浮かべる。和美はピッタリと太股を閉じ合わせ、洗濯バサミが揺れるのを笑われながら悔しげに唇を噛むしかなかった。

 「何をしてるの?」

 そこへレンタカーを借りてきた裕司が戻ってきた。ミチルから説明を受けた裕司も頬を崩して和美のその部分に目を向けるのであった。

 「ああ、許して。二度と生意気な口は利かないから」

 再び、その部分から快感を伴った痛烈な痛みを感じ和美はブルッと腰部を震わせるとミチルに縋るような視線を向けた。

 「判ったわね。先生。こんな簡単な事で私は先生を追い込めるんだから。二度と楯突いては駄目よ」

 こっくりりと頷く和美を見て勝利感に満足したミチルは洗濯バサミを取り去った。

 和美は大きく息を付くと全身の力が抜け切ったようにがっくりと肩を落とし、啜り泣きの声を洩らすのであった。

 「さあ、予定より大分遅れてしまったわ。先生。足を開いて頂戴」

 ミチルにせっつかれた和美は何の抵抗も無く、両足を開く。ミチルが美肉を弄りだしても和美は身動きせず、固く唇を噛み締めたまま辱めに耐えていた。

 ミチルはピンポン玉を二個、胎内に納めると垂れ下がる革紐を和美の股間に通した。

 「うっ」

 革紐が一哉によって引き絞られ、亀裂の中に吸い込まれると和美の口から呻き声が洩れる。

 腰に廻した革紐に固くそれを繋ぎ止めると一哉は前に廻ってその出来映えに満足の笑みを浮かべた。全裸の後手縛りの上に股間を革紐で締め上げられる哀れっぽい和美の姿に男たちは一様に情欲の疼きを感じている。しかし、ミチルはそんなことにはお構いなしに次の作業に取り掛かった。

 「さあ、これを穿かせてあげるわ。嬉しいでしょう。服が着られるのよ」

 和美は目の前に差し出されたショートジーンズに悲しげな視線を彷徨わせたがおとなしくそれにしなやかな脚を通した。

 「少しサイズ小さいみたいね。でも色気はむんむんだわ」

 和美の腰にそれをぴったりと装着したミチルはそんな事を言ってからかうが和美は口を閉ざしたままだった。

 縄を解かれた和美に長袖のブラウスを着せて、帽子を被らせ、ガムテープを口に貼られ、大きなマスクとサングラスを掛けさせると和美の外出準備は整った。

 和美は洋輔と手錠で繋がれて部屋の外に連れ出された。和美は股間に食い込む革紐が気になってまともに歩けない。

 「さあ、歩くのよ」

 ミチルに尻を叩かれた和美は小悪魔たちに囲まれながらエレベーターホールに導かれた。

 住人が一人、同じエレベーターに乗り込んできたが和美は何の行動も取ることは出来ない。和美は由香里に期待を掛けたが彼女は裕司に貼りつかれ何の動きも見せなかった。

 和美は裕司借りてきたワンボックスカーの三列シートの一番後ろにに洋輔と一緒に座らされた。一哉と由香里が真ん中に座り、ミチルが助手席に座った。